Works手がけたプロジェクトたち

生産者が展開する花のアトリエ。
納屋の中で植物たちが生き生きと生命力を増幅するように
建築プロデュース
リノベーション
商業施設
REQUEST
  • 全国各地の生産者さんが心を込めて作った質の良い「よりすぐりの植物」を販売する拠点が欲しい
  • 教室やワークショップも開催し、色々な人に植物を気軽に楽しんでいただけるような場所が欲しい
  • 植物から得る喜びと感動を味わえる空間にしたい
所在地東京都東久留米市
クライアント法人(地主)
アトリエ華もみじの思想
アトリエ華もみじは元々福岡県にお店を構えていました。切り花ではなく「根っこのついた植物」にこだわり、全国各地の生産者が愛情を込めて育てた“よりすぐりの植物”だけをセレクトしています。お店のオーナーは、生産者のもとを訪ね、ハウスで直接話を聞き、その想いやこだわりを感じ取ったうえで植物を仕入れている方々。「ただ花を売るのではなく、その背景にある物語までお客様に届けたい。花屋だけど、花屋じゃない。植物から得る喜びと感動を伝えるのが私たちの役割なんです!」この想いが、華もみじの空間づくりの核になっています。
このアトリエ華もみじが都内に店舗を展開したいということで、相談を受けました。
古い倉庫を植物が主役のアトリエへ
新店舗に選ばれたのは、ロードサイドにあるドラッグストア脇の古い倉庫。がらんどうとした空間の中に、シンプルながら希望を寄せていました。
「遠方のお客様にも植物や作品を届けるため、配送作業ができる場所が欲しい」
「朝から夕方まで、ゆったり植物と向き合い心を整えられる場にしたい」
「植物が主役なので、内装は極力シンプルで良い」
この想いを形にするため、私たちは植物を引き立てるデザインを追求。倉庫内にはプランターを吊るす単管パイプを組み、外にはメッシュ庇を設置。植物の特性によって自由にディスプレイを変えられるようにしました。棚や家具はアンティークのものを選んだり、木でオリジナル製作したりしながら、優しさをプラス。サッシは倉庫の風合いに合わせてクライアントと一緒に塗装しました。全体は自生している植物の姿とマッチするように「粗野で主張しない素材」を選び、植物が主役になれるように意識しました。
ゆったりと時間を過ごす、心地よいアトリエ
竣工後、クライアント自ら選んだ家具が配置され、そこに植物が加わることで、こだわりの世界観が空間全体に広がりました。今では、来店したお客様が広々とした空間で植物を選び、寄せ植え教室やワークショップを楽しんだあと、ゆったりお茶や珈琲を楽しめるスペースになり、花屋が花を売ったりするだけではなく、花を中心としてその周囲にあるものや時間が展開されています。
担当:秋元絵美香, 和泉直人