京急川崎駅前の元パチンコ店を改修した「カワサキ文化会館」は、再開発事業に伴い、2025年中に閉館しました。その後身施設として「川崎市若者文化創造発信拠点仮設整備・運営事業」の公募型プロポーザルが実施され、前身施設の運営事業者である株式会社DeNA川崎ブレイブサンダースと共に企画案を検討し、公募事業者として採択されました。
私たちは、クライアントとともに前身施設である京急川崎駅前の元パチンコ店をリノベーションした「カワサキ文化会館」をはじめ、武蔵小杉の高架下を活用した子供見守り施設「THE LIGHT HOUSE KAWASAKI BRAVE THUNDERS」や「Kawasaki Spark」など、アーバンスポーツを軸としたユニークな場所づくりに取り組んできました。
これまで築いてきた“その場所の歴史や背景、文脈や物語を大切にしながら再解釈する”という視点で、プロジェクトに取り組みました。
カワサキ文化会館では、バスケットボールやダンス、Eスポーツをはじめ、さまざまなアーバンスポーツやアートが展開され、若者文化の拠点として多くの人に親しまれてきました。期間限定の拠点であったことから、カワサキ文化会館では解体時も廃棄にならない素材を積極的に採用していました。カワサキ文化公園ではその意思を引き継ぎ、元々利用されていたものや材料を再利用しています。モノだけでなく、育まれてきた文化やコミュニティも引き継ぎ、あらゆる新旧が交わり、より豊かに成長していくことを目指していくことを目指して本プロジェクトの構想を行いました。
「カワサキ文化公園」。川崎カルチャーが育ち交わる道路予定地、仮設建築物
OVERVIEW
- 川崎らしい若者文化、カルチャーを育成・醸成する場、若者文化創造発信拠点を新たに設けたいクライアント
- 文化は、建物より長生きする。だからこそ建物よりもどう文化を作るかを大切にする
- 道路用地における仮設施設としてスポーツ・アート・カルチャーが交わる拠点を整備しつつ、エリアや街全体の未来を見据える
数年後の解体を前提とした仮設建築物
本プロジェクトの敷地は道路予定地であり、約5年間の暫定利用を前提とした「仮設建築物」として計画する必要がありました。そのため、過度に堅固な建物はコスト・構造の両面から現実的ではなく、将来的な解体も見据え、基礎から全体構成まで合理性を重視しました。また、建設時・解体時の環境負荷をできるだけ抑えるため、移設物を再利用しながらCO₂排出量の少ない建築を目指しました。
バスケットコートはJBA基準を満たす高さ・広さを確保し、ダンススタジオは柱のない使いやすい空間とするため、システム建築・プレハブ工法・ユニットハウス・コンテナ・膜構造などを幅広く比較検討。コスト効率と機能性の両面から最適解を模索しました。
その結果、CO₂排出量の少ない膜構造建築物、解体・移設可能なプレハブ建築物、再利用可能なコンテナを採用。内装も過度に作り込みすぎず壁材を最小限にとどめ、「未来へつながる通過点」であることを表現しました。
バスケットコートはJBA基準を満たす高さ・広さを確保し、ダンススタジオは柱のない使いやすい空間とするため、システム建築・プレハブ工法・ユニットハウス・コンテナ・膜構造などを幅広く比較検討。コスト効率と機能性の両面から最適解を模索しました。
その結果、CO₂排出量の少ない膜構造建築物、解体・移設可能なプレハブ建築物、再利用可能なコンテナを採用。内装も過度に作り込みすぎず壁材を最小限にとどめ、「未来へつながる通過点」であることを表現しました。
スポーツ・アート・カルチャーが交わる「TAMAGAWA RIDINGロード」
道路予定地特有の細長い敷地に沿って、プレハブ・コンテナ・膜構造の建物群を配置する計画を提案いたしました。多摩川沿いという立地を踏まえ、建物同士を“川の流れ”のようにつなぐストリート「TAMAGAWA RIDINGロード」をデザインしています。
ストリートやバスケットコート、スケートボードセクションにはアートを施し、歩くたびにスポーツとアートが混ざり合う情景が現れるよう構成しました。スポーツ・アート・カルチャーが交わり、若者文化がより豊かに醸成されていく未来を描いた空間です。
ストリートやバスケットコート、スケートボードセクションにはアートを施し、歩くたびにスポーツとアートが混ざり合う情景が現れるよう構成しました。スポーツ・アート・カルチャーが交わり、若者文化がより豊かに醸成されていく未来を描いた空間です。
モノ・ヒト・コトをアリーナへと紡ぐ
この場所は暫定活用で終わるものではなく、「カワサキ文化会館」から「カワサキ文化公園」へと受け継がれてきた文化やレガシーを、さらに未来へとつないでいく拠点です。ここで育まれたモノ・ヒト・コトは、将来のアリーナ建設、そしてエリア全体のまちづくりへと紡がれ、循環し、スパイラルアップしながら川崎全体へと広がっていくことを見据えています。
このプロジェクトは、一つの施設計画にとどまるものではありません。エリアや街全体の未来、その場所にとっての「豊かさ」とは何かを問い続けながら、プロデュースを行っています。私たちはこれからも、このエリアのあり方を模索し、文化が循環し続ける土壌を育てていきたいと考えています。
このプロジェクトは、一つの施設計画にとどまるものではありません。エリアや街全体の未来、その場所にとっての「豊かさ」とは何かを問い続けながら、プロデュースを行っています。私たちはこれからも、このエリアのあり方を模索し、文化が循環し続ける土壌を育てていきたいと考えています。
| 担当 | : | 和泉直人,秋元絵美香 |
| 設計 | : | オンデザインパートナーズ |
| 施工 | : | 長栄興業株式会社,DDD inc他 |
| アートディレクション | : | DDDART |
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